 |
★ セノイ族の生き方。
マレー半島に住むセノイ族は少なくとも数世紀にわたって、警察、監獄、精神病院のルイを一切必要とせず、すべての成員が平和に暮らしてきた、きわめて珍しい部族である。
この部族の生き方を長年にわたって丹念に調査した人類学者スチュアートは、その秘密が彼らの夢分析の能力にあることをつきとめたのである。
セノイ族は夢を非常に大切にする。
|
朝食の時間に、年長者は幼少の者たちの語る昨夜の夢について耳を傾けて聴いてやる。そしてたとえば、小さい子が、どんどん下に落下してゆく夢を見て怖くて眼が覚めてしまった、などと語ると、父親は「それは素晴らしい夢を見たものだ。ところでおまえはどこへ向かって落ちていった?途中でどんな景色を見た?」と聞く。子供が怖くて何も見ないうちに眼が覚めてしまった、というと、それは残念なことなので、次に機会があれば、もっとリラックスしてよく見てくるようにと励ますのである。
そんなことをしても、何にもならないと思われるだろうが、実際に、その子は次に落下の夢を見たときは、睡眠中でも前に言われた父親の言葉がどこかに残っていて、その内容を報告すると、年長者はそれを詳しく聴いてくれ、次の体験へとつなぐような助言を与えてくれる。まさにセノイ族の人たちは「夢を生きる」ことを文字どおり行っている。
夢に対するこのような態度は、自分の夢を傍観者として「見る」のではなく、それを主体的に「体験」し、深化して自らのものとするもの、ということができる。
このような「体験」の蓄積によって、セノイ族の人々は精神の健康を保つことを可能にしたのである。
参考文献:河合隼雄「明恵 夢を生きる」より
★セノイ族の夢のコントロール法
① 夢の中の危険な出来事は、平和的に解決する。場合によっては、打ち勝つ。
② 夢の中では、いつも心地よさや楽しさを目指して進みなさい。
③ 夢をみたらはっきりとした成果を手に入れ、創造力を生み出す物を持ち帰りなさい。 |
|